
いまから約50年前の1971年。小山さんは当時とても珍しかったアイヌ古来の方法で結婚式を挙げました。
その映像はドキュメンタリー映画として残されました。

映画のなかでインタビューを受ける小山妙子さん(当時31)
「アイヌは滅びゆく民族だとか劣等民族だとかいろいろ言われました。私は誇りにさえ思っています、アイヌ式の結婚式をするってことを」

小山妙子さん(84)
(どうしてアイヌ式の結婚式をやろうと思ったんですか?)
「だってアイヌだもの」
「80歳、90歳になるフチ(祖母)やエカシ(祖父)が『アイヌの結婚式見たことない』って『おまえよくやってくれたな勇気あるな』って、『それこそアイヌメノコ(女性)だ』って言われて、泣いた」

明治時代に制定された「北海道旧土人保護法」により保護という名の下、日本国民としての同化が進められ、生きるために独自の文化を捨てざるを得なかったアイヌ。