歴史的な円安を追い風に、日本を訪れる外国人観光客が増えています。東京・銀座では、この好機をつかもうと“体験型”店舗が次々オープンします。
「グローバル旗艦店」とは? “屋台”や史上最長レーンでアピール
小笠原亘キャスター:
高級ブランドが数多く出店する銀座に、25日にオープンするのが「くら寿司」です。

正式名称は「くら寿司 グローバル旗艦店 銀座」で、すでにこういったお店は東京に3店舗、大阪に2店舗あります。グローバル旗艦とは「インバウンド向けにブランドアピールに重点を置いた最も重要な大規模店」という意味です。
どういうお店になるのかというと、最初にオープンした浅草の旗艦店が非常に大ウケということで、今回は銀座にも、和のテイストを強めた店舗をつくったということです。値段のリーズナブルさは「くら寿司」ですが、ちょっと雰囲気が違うというか、200坪の面積に242席あります。
さらに、目の前でライブ感覚で天ぷらを揚げてくれたり、お寿司を握ってくれたりします。海外の人たちというのは、カウンターで作業するお店というのは非常に楽しいようなんです。そういったものも、屋台で表現をしていこうというお店になっています。

もう一つ特徴があり、約123メートルという、くら寿司史上最長レーンです。(回ってくるお寿司を)1回逃してしまうと結構向こうに行って、またぐーっと戻ってくるというイメージだと思います。
ホラン千秋キャスター:
戻ってこない可能性もありますから、そのチャンスを…。
小笠原キャスター:
くら寿司による「利用したい回転寿司のタイプ」の調査(2023年10月)では、「レーンでお寿司を流すお店」が52.7%でした。「やっぱり回転寿司はそうだよな」ということで、リアル回転寿司の需要が高まっています。
また、くら寿司は衛生面に配慮したプラスチックのケースも使っています。いろいろ迷惑行為もありましたが、そういったところにも配慮しているということです。
くら寿司の田中信副社長いわく「レーン自体のエンターテイメント性を高めたい。リアルな寿司を流すのは経営戦略上“必須”」とのことで、いよいよ、くら寿司が銀座に、という話題ですね。
ホランキャスター:
もうすでに、こういったチェーン店が海外に進出している例も多くあります。日本の飲食店、今は円安ということを考えると、安くておいしい、日本の食材もたくさん知ってもらいたいなという気がしますよね。

オンライン直売所「食べチョク」秋元里奈 代表:
アピールするいいチャンスかなと思います。
やはり銀座はちょっと賃料も高いので、どうしてもなかなか、1店舗でビジネスとして利益を上げることは難しいです。しかしチェーン店だと、数十店舗や100店舗に1個は大赤字でいいから、とにかくブランド力を上げるための店舗を出すみたいなことはよくある話です。
おそらく、くら寿司も今回はインバウンド向けに認知を上げていきたいのかなというのはすごく感じます。
井上貴博キャスター:
他のチェーン店はどうしても、迷惑行為対策でレーンにお寿司を流さないタイプも結構増えています。でも、くら寿司はカバーをつけることで何とかしていますし、メニュー数も増えていて、ファミレス需要も取り込めるじゃないですか。
でもここから、インバウンド一本足打法でどこまでいけるのだろうか。国内の需要を喚起しないと、ということにもつながりますよね。
オンライン直売所「食べチョク」秋元里奈 代表:
そうですね。ただやはり、銀座に店舗があるというのも一つ、ブランド化という意味では、国内向けにもすごくブランド価値自体は向上すると思います。
もちろん海外向けというのもありますし、銀座に出すことで、国内のお客さんにも、どちらかというといいイメージがつくかなというところもありますかね。