■円安局面は終焉か。しかし、厳しい日本経済見通し


一方、アメリカの長期金利が低下してきたことから、ドル円為替相場は一週間で6円も円高に巻き戻す展開になった。今回の円安局面はほぼ終わったと見ていいのか。


りそなアセットマネジメント 黒瀬浩一氏:
円ドルの均衡水準について、IMFは98円56銭という試算を出しています。この均衡から40%も離れる円安ドル高は普通に考えて持続可能ではないと思います。とはいえ、これまで円安が進んできたのは日米の長期金利の差だと思います。この金利の差がアメリカの景気の減速と長期金利の低下で反転し始めた。そして、往々にして相場の転換点は、その前に横ばい点というのがあるものです。ここで相場はよく乱高下するのですが、私はまだ円高に入ったというのは言い過ぎだと思います。しかしながら、円安局面が終焉した可能性については十分あると思います。


円安局面を脱する見通しはあるものの、日本政府は経済見通しを改定し、GDP成長率をこれまでの3.2%から2.0%に引き下げた。日本はいま景気の回復と賃金の上昇に期待しているが、世界同時不況となるとシナリオは完全に崩れる。

東短リサーチ 加藤出社長:
日本銀行は政策を変えなくて良かったと思うのかもしれませんが、物価は上がるけれども企業収益もなかなか厳しい、あるいは個人の収入もあまり増えないという局面がやってくる恐れはありますから、日本にとっては厳しいことになりそうです

(BS-TBS『Bizスクエア』 7月30日放送より)