そもそもイランとイスラエルはなぜ対立?

そもそも両国は、どのようにして対立が先鋭化してきたのでしょうか。

イランは、45年前まで続いた世俗的なパーレビ王朝の時は、親米でイスラエル寄りの国でした。

しかし、1979年の革命でイスラム教に基づく体制が樹立されると、パレスチナを占領するイスラエルを「敵」と位置づけました

そして、パレスチナの「ハマス」や、レバノンの「ヒズボラ」などイスラエルと武装闘争を続ける中東各地の組織を支援することで、イスラエルを間接的に攻撃してきたのです。

一方のイスラエルも、イランの要人を暗殺したり、中東各地にあるイランの軍事拠点を攻撃したりするなど、軍事的緊張が続いてきました。

双方の直接攻撃による今後の展開は? 

ただ、イランもイスラエルも、これまでは互いの領土への直接的な攻撃はしないことによって、全面対決へとエスカレートする事態を避けてきました。しかし、今回ついに、直接攻撃の応酬となってしまったのです。

今後の展開について慶應義塾大学の田中浩一郎教授は「イランには”原発などで利用する”ウラン濃縮施設などがあるが、イスラエルは”核兵器の転用”を恐れていて、攻撃する可能性が高い。もし攻撃されれば、イランも『イスラエルの核施設を攻撃する』と宣言しているので、全面戦争となるリスクもある」と指摘します。

中東地域、更には世界規模へと紛争が広がる可能性が現実味を帯びている中、報復の連鎖を断ち切る術はあるのでしょうか。

(「サンデーモーニング」2024年4月21日放送より)