いずれは、私たちも考えることになるかもしれない安楽死についてです。スペインでは安楽死の合法化から1年で160件が認められました。安楽死を選ぶのか、それとも最後まで生を全うするのか。
当事者の思いを取材しました。
■安楽死という選択肢が生きる支えに

電動車椅子で迎えてくれたラファエル・ボテラさん(35)。19歳の時に交通事故に巻き込まれ首から下を動かすことができなくなりました。8年前からは深刻な痛みに悩まされるようになったといいます。
ラファエルさん
「蟻が走るような強い痛みが全身に広がっていきました。地獄のようでした。唯一の救いが安楽死でした」
ラファエルさんはこれ以上、耐えられない痛みに襲われた時のために「安楽死できる選択肢がほしい」として国に安楽死法の制定を求めてきました。

記者
「安楽死法が成立した時、どう思いましたか?」
ラファエルさん
「ホッとしました。選ばないとしても、もう誰にも(自殺ほう助)罪を負わさなくてもいいからです」