なぜ狂犬病ワクチンの接種率は低下しているのか・・・

年々低下している狂犬病のワクチン接種率。なぜワクチンを打たせない飼い主が増えているのか、神奈川県横浜市にある「ながつた動物クリニック」院長・獣医師の濱田 宇広先生に話を聞きました。

Q:そもそもなぜ狂犬病のワクチンの接種が必要なのですか?
A:「国内での発症例はほぼなく、検疫で海外からの侵入をかなり防いでいます。
しかし、狂犬病のウイルスが侵入してきた場合、ウイルスが蔓延しないようにあらかじめ予防しておくことが(ワクチン接種の)意味だと思います。」

Q:狂犬病のワクチンの接種をさせない飼い主が増えているが、なぜだと思いますか?
A:「国内での発症例の報告がほとんどないので、安心されているということが大きな理由だと思います。加えて、海外からの侵入を防ぐということが有効に働いているので、それらを考えると打たなきゃいけないのかと疑問を持つ方がいても不思議でないと思えます。また、狂犬病の危険性について周知がされていない、説明があるとすれば動物病院か飼い始めに自治体へ登録するときだが、その登録すらされていないケースもあるので、(危険性について)あまり伝わっていないというのもあるかもしれない。」

国内での発症例が少ないこと、海外からの侵入を防ぐことが出来ていること、狂犬病の危険性が周知されていないというこれら3点が、狂犬病のワクチンの接種率が下がっている大きな理由ではないかということでした。
では、狂犬病のワクチンはどこで接種することができるのでしょうか。

気になる予防接種の方法は?

狂犬病のワクチンは、居住する市区町村が行う集団注射または、動物病院にて接種することができます。
生後91日以上の犬には早めに予防接種を打つことが必要であり、
その後は1年に1回の予防接種で免疫を補強することができます。

接種の際に気を付けるべきことは?

濱田 宇広先生によると、
「予防接種なので、体調が万全であるということを気を付けて見ていただくこと、心配事がある場合には接種する前に獣医師に相談・報告していただくことが大事です。」

また接種後は、
「確率はかなり低いが、アレルギー反応が出る可能性もゼロではないので、接種後は半日から1日くらいは(ペットの)様子が見れる体制で臨んでいただいた方がいいと思います。」

ワクチンを接種する日はペットも人間も万全の状態であることに気をつけなければなりません。

さいごに

毎年4月1日から6月30日は狂犬病予防接種月間です。
ワクチンの接種は法律で義務付けられており、飼い犬に予防接種をしていない場合20万円以下の罰金の対象になります。
狂犬病のまん延を防ぐためにも、犬を飼っている方はこの期間に自治体に登録・狂犬病予防接種と犬鑑札・注射済票の装着を実施しましょう。