自民党派閥の裏金事件をめぐり、下村博文衆院議員が政倫審後に発言したとされる音声データの存在が明らかになりました。音声では、裏金作りが「森元総理が会長の時にスキームが作られた」ことが示唆されるなど、政倫審では語られなかった内容もありました。

政倫審では“検察の捜査を意識した発言”をしていた?

下村博文議員とされる音声
「今回の一連の中で、少なくとも2005年から1999年、森会長の時にそういうスキームを作ってやっていたんだなということは今、そういう風には認識しています」

これは、番組がフリージャーナリストから提供された音声データ。

このジャーナリストによりますと、下村議員が3月25日、地元の東京・板橋区で開かれた会合に出席した際の発言だといいます。

下村議員は安倍派の事務総長、会長代理を務めた、裏金問題解明の“キーパーソン”。音声は、派閥の裏金作りが、森元総理が会長だった時に行われていたことを示唆する内容です。

しかし、この1週間前に行われた政倫審では…

下村議員(3月18日)
「いつからということは、はっきり申し上げることは私自身はできません。ただ少なくとも長年の慣行の中で、会長と事務局によって、この収支報告書の不記載が行われていたということについては、派閥の総会最後の時に話がありましたから、それはわかりますが、確定的にいつからということは私自身わかりません」

ただ、音声は“政倫審では検察の捜査を意識した発言をしていた”としています。

下村議員とされる音声
「検察に話をした時にはそれは全然知らなかった話。それで当然不起訴になっているが、国会で違うことを話したとしたら、私はもう一度、調査・聴取されますから。国会でそういうことを言って『下村が全部暴露した』って言うのは格好いいけども」