創業は大正元年、1912年という老舗ですが、豆腐業界を取り巻く環境の厳しさから2022年に分析装置や機械の開発製造を行う会社の傘下に入って再出発し、豆腐作りを続けています。

原料を切り替え、輸入大豆から全て国産に。

そして…

西沢さん:
「あー出てきましたね。これは何ですか?」
「これが今『生呉(なまご)』の状態です」
「生呉?」

つぶした大豆と水を合わせた「生呉」。

一般的にはこれをそのまま煮て、搾ると豆乳ができますが…

西沢さん:
「一回挽いてあげたものをさらにもう一段階細かくするっていうのが、うちの特徴ですね」
「粒子が細かくなるんで、にがりをうったときの固まり方も全然変わってきます」

豆腐作りの現場では全国的にも例がないという特殊な粉砕機「コロイドミル」を導入。

より細かくすることで大豆1粒から余すことなくうま味を搾り出します。

豆乳を搾ったあとのおからは、パウダー状で、廃棄ロスの削減にもつながっています。

こうした設備の導入をきっかけに、工場長の西沢治人(にしざわはると)さんが、職人としての経験と技に加えて大切にするのは緻密なデータです。


西沢さん:
「豆乳の濃度、大豆の浸け時間、水分量、豆腐の温度が、今まで感覚でしかなかった」
「均一化させる、そこが楽しみでもあり難しいところでもあります」

一方、洞沢豆腐店は変わらぬ豆腐作りを貫きます。

朋和さん:
「技術的な部分はもちろんですけども、おじいちゃんの代から続いているんでね、できる限り守っていきたいなとは思います」


洞澤さん:
「きついかも知らんけど、みんなで苦労しながら作った豆腐は絶対にうまいでさ」
「そういう豆腐を作ってもらいたいね。これからも息子に期待したい」