ハードルが高い「荷主への値上げ交渉」

青森定期自動車 齋藤武男代表取締役
「(荷主と)打ち合わせして、例えばリンゴは、この運賃で今年やりましょうとなっても、次の日からその情報が漏れて『うちはもう少し安くやりますよ』というのがトラック業界だから。そういう弱い立場の商売」

荷主への値上げ交渉は、ハードルが高いのが現状です。

県トラック協会が1月末まで行った調査では、回答した事業者の17%が「荷主との交渉を行っていない」、または「交渉する予定がない」と回答していました。
その理由について、他社に切り替えられる懸念や動向の様子見を挙げたところが多くありました。

こうした点を踏まえて、国がいま目指しているのが荷物の積み下ろしの時間短縮です。

従来であれば、運転手は荷物を手作業で積むのが大半でしたが、荷物をパレットに載せたまま運ぶことで、荷積みの時間を減らす「パレット輸送」の導入を呼びかけています。ただ、この方法ではパレット自体の厚みで積むことができる荷物は減るため、運賃が減るなど様々な課題が残っています。