「2024年問題」。物流面での人手不足のイメージがありますが、実は医療の分野でも差し迫った問題となっています。残業時間が実質「青天井」となっていた医師たちにも、4月から上限が課されることになりました。この影響で、入院患者の受け入れを休止した病院も出ています。

「医師の働き方改革」で入院できない患者も

数年前まで関西地方の総合病院で働いていた30代の男性医師。 休みは週1日しかなく、長時間労働が常態化し、体は悲鳴を上げていました。

数年前まで総合病院勤務 男性医師
命の危険を感じることはゼロではなかった。扁桃炎だったりとか、心臓が痛くなったりとか。その働き方自体に当時は疑問に思わなかったですけど、イライラしていますよね、常に

過酷な労働環境を改善するため、4月から始まる「医師の働き方改革」。医師の残業時間が原則として年間960時間までに規制されます。

ただ、こうした規制により病院が入院患者を受け入れられなくなる恐れも…

宮城県の石巻市立牡鹿病院。

入院病床25床を持つ地域にとって欠かせない医療機関ですが、届いた通知には…

「来月以降、応援の医師を派遣できません」

実は、この病院に常勤する医師は1人だけ。県内6つ病院から医師の派遣を受け、24時間の診療態勢を維持してきました。しかし、勤務医の残業に規制がかかる4月を前に「応援医師の派遣打ち切り」が伝えられたのです。

このままでは医師がいない時間帯が生じるため、4月から入院患者の受け入れを休止する見込みとなりました。

利用者
「入院をしなければならない時、ここ以外の病院は石巻(駅前)に行かなきゃないでしょ。だからね、ちょっと不安ですね」
別の利用者
「先生が少ないから仕方がないんじゃないかなぁ、って思いますけど。先生も先生で大変だと思いますよ」

医療体制の維持と働き方改革の両立は簡単ではありません。