「同じ議員同士なら年齢や経験に関係なく平等に発言する」
世界ではLGBTも含め年齢、ジェンダーを超えたリーダーたちが政治に多様性を花開かせている。
日本で“多様性”といえば、自民党青年局が企画した、いわゆる“過激パーティー”が思い浮かぶ。そもそも不祥事でもなければ話題にもならない、自民党青年局とは…?

1955年に設立された、原則45歳以下の議員の集まり(当選回数など他にも規則はあるが)だ。とはいえ地方では議員不足などもあって、46歳以上の議員が所属している県連がほとんどだ。
愛媛県連には67歳の青年局員もいる。広辞苑で『青年』と引くと“14、5歳から24、5歳云々”とある。
そもそも被選挙権が25歳からの日本では、文字通りの青年局は成立しない。日本政治の世界では「40、50は鼻垂れ小僧」という世界だが、フランスで34歳の首相が出たと聞けば、何がそんなに違うのか気になる。
日本とフランスの政治・文化の比較研究を専門とする先生に話を聞いた。ちなみにフランスの首相は選挙で選ばれるのではなく、大統領が任命する。

三重大学 ティエリー・グットマン教授
「マクロン大統領はイメージ戦略に優れている。(新首相の)アタル氏は若いだけじゃなく同性愛者。だから“若さ+同性愛者(を選ぶ)進んでる国”、(彼を任命した)進んでる大統領…というイメージ戦略が大きかったと私は見ている」
フランスでは若者票の獲得が課題となっている。若返りは首相だけでなく、野党・国民連合の党首バルデラ氏も28歳だ。また、フランスが若い指導者を認める理由のひとつに歴史的背景があると、グットマン教授は言う。
三重大学 ティエリー・グットマン教授
「(革命で王政を打倒した歴史から)平等意識は高い。フランス人たちは、その人が自分より年上だからあるいは経験が長いから自分は黙ってその人の言うことを聞く、っていう意識はあまりない。
同じ議員同士なら年齢や経験に関係なく平等に発言する。その場で“この人鋭いこと言ってる”、“賢いこと言ってる”と目立つ。そして目立った人は次に抜擢され、また目立って。ポストが上がっていく。アタルさんはその典型」