政治に関わりたいなら?“政党の青年組織に入ります”

北欧・スウェーデンの国会議員の平均年齢は約46歳(日本は約58歳)。閣僚の平均年齢は45歳、最年少閣僚は26歳だ日本は(62.4歳)。
選ばれる側が若いように、選ぶ側も若く20代の投票率が82%だという。
なぜスウェーデンでは“若い政治”が実現したのだろうか?

駐日スウェーデン大使館 ヨハン・フルトクイスト 参事官
「スウェーデンでは若い人たちの投票率が、他のどの年齢層よりも高い。この国では非常に早い時期、幼い頃から有権者となり、民主主義のプロセスに参加することを奨励するシステムを築いてきた。私が初めて模擬選挙に参加したのは9歳の時で、1985年の選挙だった。
実際の選挙と全く同じだった。投票用紙を持って封筒に入れて、秘密の投票所に行って投票用紙を箱に入れた。今では子供たちが投票によって学校の決定にかかわることが許されることも増えてきた。例えば校庭にどんな遊具を置くとか、給食で何を出すとかね…」
スウェーデンでは選挙権・被選挙権ともに18歳だが、それ以前から政治に参加できるシステムが整っている。
駐日スウェーデン大使館 ヨハン・フルトクイスト 参事官
「スウェーデンの17歳の子に“政治に関わりたい、あるいは選挙に出たいならどうすればいい?”と聞けば、ほとんどの人がこう答えるでしょう。“政党の青年組織に入ります”。そうすることで、もし望めば政治的なキャリアを追求したり、より高いレベルで政治に関与することができる。そういう意識が高いのだ」
スウェーデンでは若者が票田になっていて、そのことが政治を変えたとフルトクイスト参事官は言う。
駐日スウェーデン大使館 ヨハン・フルトクイスト 参事官
「社会の半分に過ぎない男性、あるいはもっと小さなグループである老人だけに焦点を当てることだけでは当選できない。だから若者が選挙に参加し投票することで、その変化が加速した…」
先日、スウェーデンのような政治を目指そうというイベント『民主主義ユース・フェスティバル』が東京で開かれた。その会場にいた若者にマイクを向けた。

「政治家は権力やお金がたくさんある悪いことをしているイメージ」(18歳・高校生)
「政治に興味を持っていることに対して冷笑的な目線を向けられることがつらい。どこかの政党に凄く熱心なわけではないのに、思想が強いとか変な考えに染まっちゃったみたいに取られる…」(27歳・大学研究所勤務)
「今の若者は本当に政治に関する意識が低いと思う。おかしいなと思ったことについて、自分が変えてみようって意識を持ったらいいと思う」(15歳・中学生)
この声を聞く限り、意識の高い子がいないわけではないようだ。

ニュース解説 堤伸輔氏(フォーサイト元編集長)
「『冷笑的な目線を向けられることがつらい』、これは日本社会に本当にある傾向だと思う。これはずっと戦後のいろいろな制約、はっきり言って右からも左からもかけられて生まれた。この15歳の子の意識の高さに思わず頼もしく思ってしまったのですが、実はイギリスはいま、16歳を選挙権年齢にしようというキャンペーンが始まっている。
イギリスは4つの連合ですが、地方選挙では、すでに2つの地域は16歳で投票できる。いずれ総選挙もそうなっていくでしょう。この15歳の子は、外国から見たらこんな若い子がこんなことを言うのかという例外的なものではなくなっているということを、もうちょっと日本は知っておかなければならない」
(BS-TBS『報道1930』3月25日放送より)