IBCのアーカイブ映像から岩手の魅力を再発見する「ホレホレアーカイブ」。40年前の4月、県の沿岸部はこのニュースで喜びに沸きました。

1984年4月1日、田野畑村島越地区に住民が続々と集まってきました。目指したのはこの日、悲願の開業を迎えた三陸鉄道の島越駅です。
鼓笛隊も登場し祝賀ムードが高まります。地域の観光拠点として村が建設した「カルボナード島越駅」と名付けられた洋風の駅舎周辺は、立錐の余地もないほどに多くの人が詰めかけました。
そして久慈発、宮古行きの一番列車がやってきました。
全国初の「第三セクター鉄道」、三陸鉄道が産声を上げました。

三陸鉄道開業前は岩手県沿岸部は田野畑村だけが鉄道が通っていませんでした。
三鉄開業に合わせて赤字路線だった国鉄久慈線の久慈~普代間、宮古線の宮古~田老間、盛(さかり)線の盛~吉浜間も三陸鉄道に移管され、三陸鉄道北リアス線・南リアス線が誕生しました。

映像でご紹介した駅舎は東日本大震災の津波で失われました。田野畑村内は震災後、最後まで運休が続いていましたが、2014年に三陸鉄道は全線で運行が再開。2019年には震災後、運休となっていたJR山田線の宮古~釜石間も経営が移管され、何度も苦難を乗り越えた三鉄が岩手の沿岸を南北に結びました。