「ジャムでは良さが失われる」

今回、「桃薫」を提供した生産者も、今回のコラボに大きな期待を寄せます。静岡県焼津市のシックスベリーファーマーズ松田農園。父・肇さんと生産を行う松田義人さんにはこんな悩みがありました。

シックスベリーファーマーズ松田農園・松田義人さん

「生産をしていると、どうしても数パーセントは、規格外品が生まれてしまう」。例えば、形が悪いものや7~8グラムより小さなサイズは出荷しません。規格外品といっても、味や風味にそん色はありませんが、「加工品なども考えたが、ジャムにすると桃薫の良さが失われてしまう。いい方法はないか、ここ何年も模索してきた」(松田さん)

そんな時、行政を通じて、今回のコラボ話が舞い込みました。橋渡しをした焼津市農政課の藤野大課長によると、廃棄する作物はわずかでも、生産者によっては、大きな数字だというのです。

さらに、物価高騰が続くことで、生産者の負担は膨らんでしまうからこそ、「規格外品を活用した商品化が生産者の収益につながれば大きい。また、ホテルで扱ってもらうことで、“焼津の逸品”が静岡県外の方に知ってもらうきっかけにもなる」と語ります。