百福氏のかばん持ちを3年、祖父の強い好奇心が生んだ「初」の数々

―――聞くところによると「お食い初め」は、チキンラーメンだったとか?
安藤家の伝統なのですが、お食い初めの時には漆の器に入れたチキンラーメンを口にちょんちょんと当てて食べる真似をします。私の子どものお食い初めも祖父(百福氏)と一緒にやりました。

―――高校・大学時代はラクロス部に?
当時、ラクロスはオリンピック競技になるだろうと言われていて、「日本代表に一番近いスポーツだよ」と友だちにそそのかされて始めました。競技人口がそれほど多くなかったこともあり、仲間たちと一緒に日本代表になることができました。
―――大学院を卒業された後は、百福さんのかばん持ちを?
祖父が96歳で亡くなるその日までの3年間、かばん持ちをやりました。祖父は執念深いというか、事業に対する思いが非常に熱い人でした。インスタントラーメン産業をどう作ってきたか、将来に向けどう引き継いでいってほしいか、その熱い思いを3年間でみっちりと叩き込まれました。96歳になっても好奇心が強く、あらゆることに興味を持っていました。若い世代が食べているもの、見ているもの、聞いているものにはどういうものがあるのか毎日毎日、私に聞いてくるんです。その好奇心が、新しい発明を生み出す原動力だったんじゃないかと思います。