来年から使われる中学校の教科書の検定結果が公表され、ほとんどの教科書にQRコードが掲載されていることが明らかになりました。また、野球の大谷翔平選手が複数の教科書に登場しています。

文科省はきょう、来年4月から中学校で使われる教科書の検定結果を公表しました。検定に合格した申請図書は100点で、そのうち97点にQRコードが掲載されています。

例えば、「技術」の教科書で電気の安全な使い方を学ぶぺージにあるQRコードを、1人1人に配布されているデジタル端末などで読み取ると、コンセントなどに溜まった埃に電流が通って発火する様子が映像で確認できます。

このようにデジタルの利用が進む一方で、導入するにあたって検定意見も目立ちました。

教科書に外部のURLがそのまま掲載されている場合、つながっているリンク先が変更された際にページが開けなくなる可能性があるとして、URLを直接記さないように修正されました。

教書の記載テーマでは、LGBTQなどのジェンダーや新しい家族のあり方についても記載が増えました。

「家庭科」で「家族とは何か」を尋ねた設問では、この設問自体が学習指導要領には合わないとして意見がついたため、「家族とはどのような存在だろう」と家族の基本的な構成や役割を問う質問に修正されました。

これに合わせて同居する同性のパートナーを描いたイラストに「結婚していなくても家族?」と記載されていた文字が削除されました。

また、「社会」の複数の教科書で2022年7月に起きた「安倍元総理銃撃事件」が中学校の教科書として初めて取り上げられたほか、ロシアによるウクライナ侵攻についても多く取り上げられています。

また、野球の大谷翔平選手は複数の教科書に登場していて、大谷選手が高校生の時に書いた「目標達成シート」を取り上げ、自分で課題を決めて評価できるように取り組む方法などが紹介されています。

また、大谷選手の通訳の水原一平氏も中学校の教科書としては初めて登場しました。しかし、違法賭博に関与したなどと報じられ球団を解雇されていて、水原氏を取り上げた教科書会社の担当者は、「報道が事実であるとすれば、内容の差し替えも含め検討せざるをえないと考えている」としています。

このほか、FIFAワールドカップカタール大会で活躍した三笘薫選手が道徳などの教科書に、人気マンガ「SPY×FAMILY」が中学の英語の教科書に初めて登場しています。