「書店の明かりを消したくない…」

移住前は、書店員や本の売り場づくりなどを行うブックディレクターとして本と向き合ってきた石坂さん。現在は、地域おこし協力隊=出雲崎町の職員として働いています。そのため『蔵と書』では利益を目的とするのではなく、その運営資金を賄うための活動となります。

ただ「街から書店の明かりを消したくない…」その思いは強いといいます。

石坂優さん
「ずっと私は紙の本になくなってほしくなくて、今やっぱり紙の本がなくなってきていたりとか本屋さんがつぶれてきていて、それをちょっとでも食い止めるのって、1人でも本を読み人を増やすことかなって」

『蔵と書』には、そんな石坂さんの書店への思いが込められたコーナーもあります。「もう一冊買ってでも誰かにおすすめしたい本」。
並ぶのは、訪れた人が持ち寄ったお気に入りの本の数々で、背表紙をめくると寄贈者からのメッセージが刻まれています。あえて貸し出しも販売もしないというこのコーナー。そこにはあるわけがありました。

石坂優さん
「なんとかして本屋さんに行って『こんな本あるんだ。欲しいな』って思ってほしい。なので貸し出しも販売もしていなくて、いいなって思ったらぜひ覚えて本屋さんで買ってほしいなって」