「マイナス金利解除」へ 生活にどう影響?

藤森祥平キャスター:
なぜいま、金融政策を大転換する見通しなのでしょうか。

日銀の黒田総裁は、2013年から“異次元の金融緩和”を進めましたが、円安による物価高、マンション価格の高騰、国の借金が増える、といった“副作用”もありました。

その金融政策を是正しようと、2023年就任にした植田総裁は、大幅な賃上げ率などを受けて19日、マイナス金利の解除に踏み切る見通しです。これが金融政策の正常化への第一歩と捉えているようなんです。

小川彩佳キャスター:
そもそもマイナス金利政策についてはどうご覧になっていましたか?

東京大学准教授 斎藤幸平さん:
インフレで各国の中央銀行は利上げをしていく中で、日本はそれがずっとできずに円安が進んで、インフレも進んでしまったという状況があったわけですよね。そういう意味で異常な低金利状態が長期間に渡って続いてきたことが、振り返ってみれば経済の停滞をむしろ長引かせていたのではないかという負の側面が感じられることが多くなってきたと思うんですよね。

そういう中で私が今注目しているのは、実際にゼロ金利が解除される場合に、ゼロ金利をもたらしてきた原因であるアベノミクスに対する総括が行われるのかどうか。様々な副作用を含めて、このタイミングで転換するときに、どう振り返って反省点を出すのかなど含めて見ていきたいなと思います。