「人手不足」が持続的な“賃上げ”を実現?中小企業の賃上げは?

ホラン千秋キャスター:
今回、金利も17年ぶりに見直しということになりますので、コロコロ変わるものではないということを考えますと、賃金も長期的に上がっていくのでしょうか?

酒井さん:
各企業収益は過去最高水準でこれまで推移してきましたから、これを労働者に還元する動き。人手不足が深刻化していく中で、人への投資、「労働者を大事にしていこう」という気運が企業の中に広まってきている

そして、人手不足というのはこれからも構造的に続きますので、こうした動きが持続的に続いていくことが見通せるだろうと日本銀行も考えているということだと思います。

ホランキャスター:
全体として大企業は賃上げ可能だけれども、中小企業にどこまで及んでいくのかというところが懸念されている中で、物価の高騰に耐えうる賃上げになっていくのでしょうか?

酒井さん:
中小企業の賃上げが実現するのかどうかというのが1つのポイントです。

今回、連合が取りまとめている春闘の賃上げ率ですが、基本的には大企業が主導する形にはなっています。

ただ、人手不足の深刻化を受けて、中小企業においてもそれなりに高い賃上げを実現していこうという気運が広まってきています。仮に大企業中心の賃上げであったとしても、大企業で高い賃上げが実現されることによって、大企業で働いている人々の給料が上がるわけですから、経済全体で見れば消費が増えていくだろうと。

そうすると、中小企業から見ても、提供している商品、財サービスの価格が上がりやすくなるんじゃないかということが見通せます。こうしたことが広まっていけば、2025年以降もある程度の高い賃上げが実現できる可能性も見えてくるということかと思います。

プロ経営者 ハロルド・ジョージ・メイさん:
キーワードがいくつかあって、インフレの話ですが、持続的に安定的に上がることは、我々の収入も同じように持続的に安定的に上がらないといけないわけなのです。

今回は賃金が上がりそうですが、それが本当に持続的にそうなのか、私はまだまだ見通せないと考えています。ただ、我々の一個人の意識は変わるなとは思います。