「金利のない世界」から「金利のある世界」へ大きな転換点を迎えようとしています。実際にマイナス金利が解除されたら、私たちの生活にはどのような影響があるのでしょうか?解説です。
マイナス金利解除で企業や生活への影響は?
山内あゆキャスター:
マイナス金利政策とは、銀行が積極的にお金を貸し出すということです。そうなると、企業にとっては資金を借りやすく、個人としては住宅ローンなどを借りやすい状況になります。
2016年に導入され、経済活動の活性化、景気向上を狙った政策として始まり、長く続きました。

では、なぜ今このタイミングでマイナス金利解除に向かうのでしょうか。
1つ目は、▼賃上げ率が上昇したこと、そして2つ目が▼物価の高騰が理由だということです。
みずほリサーチ&テクノロジーズ 酒井才介さん:
2024年の春闘においては、2023年を大きく上回る賃上げ率が実現しそうであるという状況になってきました。これが、今回の日本銀行の金融政策修正の背中を押した格好になっているというふうに見ています。
今は賃金の伸びが物価に追いつかず、実質賃金がマイナスで消費が弱いということが言われています。今回の春闘で賃金が上がれば、人々の所得が増え、2024年の夏以降には実質賃金もプラスになり、消費が増えることで企業も安心して価格転嫁ができるようになる。
この賃上げを伴う物価上昇、“賃金と物価の好循環”が実現する可能性が見えてきたと日本銀行が判断したということかと思います。