ロシアでは15日から大統領選の投票が行われています。ウクライナ侵攻が続く中、プーチン氏の“圧勝”演出に向け、これまで以上に統制が強まっているとの声があがっています。
ロシア各地で投票が始まった大統領選。立候補したものの、その直後に出馬を拒否された女性がいます。ウクライナ侵攻反対を掲げていたジャーナリストのドゥンツォワ氏です。
大統領選出馬を拒否された ドゥンツォワ氏
「(立候補したのは)平和のためです。軍事作戦を終了するだけでなく、多くの国と友好関係を回復するよう訴えたかったのです」
ドゥンツォワ氏は出馬に必要な署名集めさえ許されませんでした。その背景には“プーチン政権の意向があったのではないか”と主張します。
大統領選出馬を拒否された ドゥンツォワ氏
「私が出馬することで“チハノフスカヤ”と同じシナリオになると危惧した人がいます。彼らは万が一に備えて影響が出ないよう(出馬拒否を)決めました」
ドゥンツォワ氏が挙げた「チハノフスカヤ」という名前。2020年、ロシアの隣国ベラルーシの大統領選に反政権派の事実上の統一候補として出馬した、政治経験のない女性です。
現職のルカシェンコ大統領の圧勝が伝えられたものの、“不正だ”と訴える市民らが大規模な抗議デモを起こしました。
プーチン政権は今回の選挙でもこのような展開になり、反戦の動きが強まることを懸念したというのです。
今回の出馬したのはプーチン氏のほか、政権に従順な野党の3候補のみで、プーチン氏の通算5選が確実な情勢となっています。
大統領選出馬を拒否された ドゥンツォワ氏
「選択肢がないだけでなく、候補者の中に女性もいません。(政権は)特別軍事作戦のために全ての行動を決めています」
ドゥンツォワ氏は新たな政党の立ち上げを目指していますが、結党集会が会場側にキャンセルされるなど、いまも政権の意向が影響している可能性があるといいます。
こうした“排除”ともいえる動きは選挙監視活動にも及んでいます。
20年以上にわたりロシアの選挙をチェックしてきた独立系選挙監視団体「ゴロス」。団体のトップ、メリコニヤンツ氏は去年8月から当局に拘束されたままです。
独立系選挙監視団体「ゴロス」 アンドレイチュク共同代表
「前回の選挙が行われた6年前よりもはるかに悪化しています。選挙監視が10倍困難になりました」
今回の大統領選では▼独立した監視員が投票所には入れなくなったほか、▼電子投票が導入され、チェックが及ばない“ブラックボックス”となったと主張しています。
独立系選挙監視団体「ゴロス」 アンドレイチュク共同代表
「大統領選にあわせたルールの変更はすべて、国民が選挙に参加する権利を制限することを目的にしています」
政権の統制が指摘されるなか、反体制派指導者の陣営は、投票最終日の17日正午に一斉に“プーチン氏への抵抗を示そう”と呼びかけていて、当局は警戒を強めています。
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