社内結婚した場合、夫婦で同じ部署にいてはダメなんでしょうか?福井県池田町の町役場では、職員同士が結婚した場合、どちらかに退職を求めるという“職場ルール”があり、いま波紋を呼んでいます。
約30年で結婚は4組…うち3組は女性が退職、1組は夫婦で仕事継続

山内あゆキャスター:
福井県池田町は、内陸の割と小さな町です。人口は2200人、町役場の正規の職員数は67人。町職員同士の結婚には退職を勧める、どちらか一方に退職を促すという「退職勧奨」ルールができたのは1993年で、いわゆる内規(職場のルール)なんですね。
これに対して13日、町議会で議員が撤廃を要求しましたが、結果的に町としては、このルールは継続する意向だということです。
ただ、ルールはあるものの、これまでどれぐらい町役場の中でカップルがいたのか?実際に役場に取材をしました。

まず、ルールのできた1993年~2020年で、3組がカップルになりました。そしてこの3組には退職がどちらかに勧められ、いずれも女性のほうが退職したそうです。
2020年以降は、1組が結婚したそうです。この1組にも退職が勧められましたが、2人とも「このまま仕事を続けたい」と言い、退職しなかった。これに対して何かのペナルティがあるとか、そういうことはもちろんないです。
ここでやはり気になるのは、なんでこのルールができたのか?そしてそれは、今の時代に即しているのかどうかというところではないでしょうか。
結婚で退職を片方に勧める。一体、なぜできたルールなのか?

たとえば結婚して同じ部署にいた場合、人事の評価が難しくなるのではないかという指摘です。上司と部下の関係になってしまったら、評価が甘くなる可能性はないのか?
では、違う部署に異動させればいいですよね。ただ、異動しても60人規模の小さな組織の場合、部署などに制約が生じてしまう。そうなると組織の管理が大変になってしまうので、今の池田町としてはやはり、退職を片方に勧めることが必要だという判断だそうです。

さらに、役場の方に聞きました。「今の時代に…」と思う人もいるかもしれないけれども、役場内から不満は表面上、上がってきていないということ。それから、退職をこちら側から促しているので、退職金は“上乗せ”している…という説明でした。どう感じますか?
井上貴博キャスター:
個人的には、このルールはなくてもいいんじゃないかなとは思います。でも、町特有の事情もあるでしょうし、職員も受け入れているということで言うと…という気もしますね。

産婦人科医 宋美玄さん:
ただ、部署異動で組織管理が困難ということですけれども、この30年ぐらいで4組しか職場結婚が発生していないのだから、それぐらい何かできそうな気もします。
福井県は、女性の就業率も共働き率も、47都道府県で日本一なんですよ。だから私は勝手に、働きやすいのかなと思っていたのですが、こういうところもあるんですね。
山内キャスター:
確かに4組は、そんなに多いというわけではないですね。
産婦人科医 宋美玄さん:
それぐらい、そのときだけ何とかしたら?って思っちゃうんですけど。