求められているのは“具体的な方針”

藤森祥平キャスター:
そして福島の問題をどうするのかということを11日、岸田総理は「将来的に帰宅困難区域のすべてを避難指示解除し、復興再生に責任をもって取り組むとの決意」とコメントしました。

これは従来の方針を改めて伝えているんですけど、将来的にいつなんでしょうか。帰宅困難区域は広いです。その範囲のすべての避難指示を本当に解除できるのかと。木田さん、地元の皆さんの受け止めはいかがですか。

取材担当 テレビユー福島 木田修作 記者:
岸田総理の発言ですが、安倍元総理や菅元総理など、歴代の総理も同じような方針を示していて、具体的な方針が示されない“事実上のゼロ回答”というふうに住民は受け止めていると思います。それだけに政治に対して住民からは失望感も漂っています。

浪江町津島地区の住民は「“帰るから除染する”ではなく、帰る帰らないに関わらず、まずはきれいにすべき」というふうに話しています。この帰る帰らないが、除染の条件になっていることに対しても疑問の声が上がっています。

現状では将来の生活の見通しが立ちづらく、帰還を強く望んでいる高齢者ほど、二の足を踏むような状況にもなっています。

原発事故から13年が経ちました。私が取材した人の中には、帰還を強く望みながら亡くなった方もいます。住民が望んでいるのは、決意ではなく、具体的な方針だと私は思います。