長崎市に週に一度だけオープンする青果店があります。野菜の栽培と販売を行っているのは70代の父と50代の娘。美味しい野菜を多くの人に届けようと先祖代々続く土地で始めた親子の挑戦を取材しました。


じぃじぃファーム 山口昌子さん:
「500円のお返しになります、ありがとうございます」

買い物客:
「ブロッコリーもすごく大きいですし。みんな美味しい」

「色は違うね、グリーンが強かもんね」


長崎市昭和3丁目で週に1度オープンしている青果店「じぃじぃファーム」
キャベツに、ブロッコリー、それにタケノコなど、自家製の新鮮な野菜を販売しています。

営んでいるのは原口悟さん(79)と娘の山口昌子(52)さんです。
山口昌子さん:
「せっかく作ったものをちゃんと価値あるものにしていきたいっていう思いから“じぃじぃファーム”をやろうっていうのを提案しました」

5年前まで夫と東京で暮らしていた昌子さんの本業はメイクレッスンなどを行う美容家です。
山口昌子さん:
「東京でやっぱり野菜ってなると、なかなかいい野菜を買おうとすると高くて、手が出なくて。それで父から長崎から野菜を送ってもらってて、その野菜を食べるとやっぱり美味しいって思うんですよね、元気になるし」

農家だった祖父が亡くなった後、50代で父・悟さんが畑を引き継ぎ、趣味で野菜を育てるようになりました。

昌子さんにとって父が作った野菜は元気の源、悟さんにとっては野菜作りは新たな生きがいです。

その一方で、広大な畑で作った野菜のすべてを悟さん1人で販売・消費することはできず、作りすぎた野菜は廃棄したり土に返したりしていました。

山口昌子さん:
「一生懸命作ったものが、そのまま誰の目にも触れないっていうか、それがすごく悔しいっていうか、もったいないっていう気持ちが強かったですね」