能登半島地震により減少した観光需要の喚起へ石川県ではきょう、応援旅行割の受付がスタート。一方、被災地では中学生が旅立ちの時を迎えました。

きょう午前の金沢市内の旅行代理店。

電話の応対
「5万1200円の2名さま分」

「いしかわ応援旅行割」への問い合わせが相次いでいました。

ヴァケーション 野崎英則 執行役員
「石川県は来ても大丈夫だよという雰囲気を感じていただきたい。周りめぐって能登の復興につながると思う」

ただ、今回の地震で2次避難者を受け入れているホテルや旅館も多くあるため、部屋の提供が限られ、客の要望に応えきれない悩みもあるということです。

1月と2月の宿泊客が例年の半分以下に落ち込んだ加賀市の山中温泉。コロナ禍の影響を脱したのも束の間、観光客の回復へ今度こそと強い期待を寄せます。

山中温泉旅館組合 三谷修司 理事長
「応援割の反響もすごいし、宿泊して石川県を支援しようという機運が高まっていて、本当にありがたいお客さまだなと感じている」

今週末には北陸新幹線の福井県敦賀までの延伸を控え、金沢市の観光名所・近江町市場では…

市場の鮮魚店
「復興を願って仕事をしている。それありき」

石川県内では260の施設が旅行割の対象となる一方、輪島市など奥能登2つの市と町の施設は営業再開のめどが立たない状況で、息の長い復旧支援が求められます。

こうした中、奥能登の珠洲市では4つの学校で卒業式が行われました。

卒業生代表 岡田崚汰さん
「皆さんの中には、地震の影響でどうしても珠洲を離れなければいけない人もいます。新たな地で不安もあることでしょう。ですが、どこへ行っても緑丘中学校で培った絆が切れることはありません」

珠洲市の中学生は1月からおよそ100人が140キロほど離れた金沢市のスポーツ施設に集団避難し、おととい地元に戻りました。

困難に直面しながら迎えた門出の日、地域に思いを寄せ、新たな一歩を踏み出します。