「病床の使用率については今後高くなる可能性が高い」


 ―――大阪府の現状を府の独自基準「大阪モデル」に照らしてみます。現在(7月22日時点)は黄色信号が点灯していて、病床使用率が43.6%、重症病床使用率は3.9%です。赤信号の点灯というのに注目が集まっていますが、これはもう間近なのでしょうか?

 「赤信号の可能性は非常に高いと思っています。確かにこの重症病床については600床を確保しているというのもありますけれども、オミクロン株になって、またワクチンも広がってきましたから、重症そのものについては少なくなってきていると。ただ、中等症の方が増えますし、全体の数が増えると、それは重症率が低くても、やはり重たくなってくる方が増える、入院が必要な方が増えてくる。ですので、病床の使用率については今後高くなる可能性がやはり高いというふうに思っています。なので、病床の拡大であったり。病床だけじゃなくて、今、病床というのは重症も入れれば4700床あるわけですけれども、大阪府で取り組んでいるのは、やはり非常に増えやすいということで、ホテル1万室ありますが、ホテル1万室のうち4000室は、お医者さんが常駐したり、あるいはお医者さんが往診したりという診療型のホテルというので4000室をつくってますので、ホテルの4000室、病床の4700室、そしてもう1つ大切な往診。これは高齢者施設とか、あるいは高齢者の方が自宅にいらっしゃるときに行く往診、これは140の医療機関がチームを作ってやってくれているので、そういったオール医療で体制を整えていきたいと思って強化していってる最中でもあります。ただ、大阪モデルでいくと、今の感染増加傾向でいくと、病床はさらにひっ迫する可能性の方が高いというのが現状です」

 ―――高齢者施設への往診は140の医療機関でということですが、例えば、1人で暮らしている高齢者や、施設に入れない、もしくは1人で暮らしていてそういうネットワークにアクセスができない人たちが重症化した場合、感染した場合、どうしていけばいいのでしょうか?
 「まず、高齢者施設に対する強化はかなり今やっています。第6波でも非常に厳しい状況になりましたので、高齢者施設に対しての強化、これは往診もそうですし、3日に1回の検査、無症状でも3日に1回職員に検査してもらうとか、様々な取り組みを今進めています。高齢者施設への往診は140の医療機関がチームとしてやってくれています。一方で高齢者施設にいらっしゃらない高齢者の方、自宅で利用されてる方はどうなのかということに対しては、170の医療機関が往診で対応するというチームを作ってくれています。なので、今、保健所も非常に忙しいですが、保健所のいわゆるやりとり、健康観察というのは、もう若い人はやっていません。我々みたいな若い年代ではもう健康観察もやらないと。ただリスクの高い方、高齢者については何とか多い中でも健康観察をするということを今進めています。そういった中で、自宅にいらっしゃる高齢者の方には、170の往診の医療チームが行くだとか、あるいはかかりつけのお医者さんに行ってもらうだとか、そういったことをしながら対応していく。今そこをやっているというところです」