試験的取り出し 量は「耳かき1杯分」

計画では、伸縮可能な釣り竿型の装置を使用します。格納容器につながる穴から挿入し、圧力容器を支える土台に通して、デブリを取り出すことにしています。

奥秋アナ「ちょうど今入って来たここが、5号機の圧力容器の真下です。2号機ではこの下に燃料デブリが溜まっていると思われます」

しかし、取り出せる量は、3グラム以下「耳かき1杯分」ほどです。1号機、2号機、3号機にある推定およそ880トンある燃料デブリをすべて取り出すのは、極めて難しいのが現状です。

さらに、去年発表した計画では、2号機の試験的取り出しを今年3月末までに実施する予定でしたが、今年10月ごろまでに延期されました。延期となるのは、今回が3回目です。計画の遅れは、1号機でも。

奥秋アナ「爆発で鉄骨がむき出しになった1号機ですが、現在大型カバーの設置工事が行われています」

水素爆発で骨組みがあらわになった1号機では、がれきの撤去の際に放射性物質が飛び散らないよう建屋全体を覆う、大型カバーの設置工事を行っています。しかし、1号機では高い放射線量が確認された場所もあり、工事が難航しています。

今年度の完成を目指していましたが、1号機の建屋の壁で毎時300ミリシーベルトの極めて高い放射線量が測定されるなどしたため、追加の工事が必要になり、来年の夏頃に延期しました。

度重なる計画の延期。東京電力は「着実かつ安全に廃炉を進めるため」と説明しますが、廃炉作業ではトラブルも相次いでいます。