「腕とかも取れていた」そういう話がいっぱい転がっていて…
―― 福島県南相馬市小高区。
津波と福島第一原発の事故に襲われたこの町には、渡部さんが通った旧福浦幼稚園と旧福浦小学校があります。
一行を出迎えてくれたのは、福浦幼稚園の元園長、遠藤百香さんです。
震災直後、避難所になっていた幼稚園と小学校。遠藤さんがあの日の記憶をたどります。
(福浦幼稚園・元園長 遠藤百香さん)
「避難所に来た消防団の人が『俺な、津波で亡くなったおばあちゃんの顔を素手で拭いてやった』って言うの。そしたら『おばあちゃんはとても苦しい顔をしていて、腕とかも取れていた』って。そういう話がどこでもいっぱい転がっていて、辛い思いを次の日からしなければならなかったのは、事実です」
遠藤さんから旧福浦小学校についても説明を受けた生徒たち。校舎を前に率直な疑問を口にします。