私服・スニーカー姿で受けた「社長」辞令

―――「社長を任せる」と言われた時のことは覚えていますか?
 私服でスニーカーを履いて出社して良い日だったので、ラフな恰好で当時の鈴木会長と根
岸社長から呼び出されて会いにいきました。そこで内示がありまして、最初に思ったのは「スーツを着て会社に来ればよかった」と。聞いた時にはただびっくりで、責任の重さを本当に感じましたけど、「会長、社長、あるいは社外取締役の総意だから」という話がありましたので、「もうこれは腹をくくってお受けするしかない」と思って「誠心誠意やらせていただきます」と挨拶をさせていただきました。

―――社長になって見える風景は変わりましたか?
 風景ではないですけど、私が社長に就任すると社内外に発表された時に、最初に来たのは総務部だったんですよ。「何かな?」と思ったら、保険証券に社長の名前で署名が入るんですよね。その署名があるので「毛筆かサインペンで書いてください」って言われまして、「しまった」と思ったんです。私、字が汚いんですよ。「いや参ったな」と思いましたけど、同時に思ったのは、その1枚1枚の保険証券には色んな家族に対する思いだとか愛情だとかの思いがこもっていて、自分の署名が入る責任の重さを痛感しました。