ネット上の「コタツ記事」について思うこと

――つづいても現代の特徴。テレビ番組やSNSでの発言を紹介する「コタツ記事」が乱立していることに関してどう感じられていますか?

UK氏:書き手やジャーナリストの方からすれば「取材もせずにけしからん」という思いはあるでしょうし、私個人としても問題があると思っていますが、現実問題として、読む側の大半はそこまで問題視していないのだろうとも感じています。

というのも、今年1月に「暖房器具研究家 こたつの裏ワザ暴露『赤いランプを青いランプに変えると…』」という記事を出しました。

これは、「架空の専門家がXで呟いた『こたつ』の話を紹介」→「それに対するフォロワーの反応を紹介」という『コタツ記事テンプレート』を用いて、コタツ記事を風刺する、という意図なのですが、読者からの反応は「こたつのランプの色が変わっても冷房にはなりませんよ」という直球コメントばかりで、これがコタツ記事への皮肉だということに気付いてくれた人が少なかったんです。

 そこで感じたのは、コタツ記事というのはあくまで書く側やターゲットにされたタレントさんが懸念しているだけのことで、良し悪しは別として、読者にとってはそれなりに需要があり、受け入れられているという事実です。読者の多くが問題視していないから「コタツ記事」という用語もまだそこまで浸透していない。個人的には取材も裏付けもない、志の低い記事だと感じますけど、事実としてそれが多く読まれ、受け入れられている現実をどう受け止めるかですよね。