「何年経っても美化なんかできない」

近藤さんは、これまでの人との出会いは「宝」だといい、13年間を振り返ります。

近藤さん「やっぱりつらいといったらここを突然出ろと言われて、今までの13年間じゃないですか。なんだかんだ言ったって避難生活だからね。絶対原発事故と避難生活というのは何年経っても美化なんかできない。あんなことは二度とあってはいけない」

そんな近藤さんには伝統を継承する上での強い気持ちと目標があります。

近藤さん「やっぱりここに来て私が起点となって、後継者育成とかできれば、他の大堀相馬焼の同業者の方が戻ってくるとか、やっぱり産地形成、これがもう目標です。そのためのまさに今は第一歩」

近藤さんは、また新たな一歩を踏み出しました。

近藤さん「大堀は原点。私の原点でもあって、大堀相馬焼の伝統継承の一番の原点・肝ですよ、大堀でなければできないと思っています」

大堀相馬焼の産地復活のため、「原点」に戻った近藤さんの挑戦が、これから再び始まります。

近藤さんは当面、いわき市四倉町の拠点と浪江町の大堀地区を行ったり来たりしながら活動を続けることにしていて、大堀相馬焼の展示場なども備えた浪江町の窯元のグランドオープンは、今年6月ごろを目指しているということです。