2002年に北朝鮮から帰国した拉致被害者の蓮池薫さんが7日、自民党の新潟県議員に向けて講演し「拉致問題は解決済みではないと多くの国民に知ってもらうこと」の重要性を訴えました。
この講演会は、拉致被害者から話を聞き拉致問題解決につなげようと、自民党県議による『拉致議連』が開いたものです。

【蓮池薫さん】
「全ての人たちは解決済みじゃないということを改めて多くの国民に知ってもらう、北朝鮮の言っている”死亡説”は全部デタラメだということを改めて知らせる、ということが重要」

蓮池薫さんや曽我ひとみさんら5人が帰国した2002年以降、拉致問題には大きな進展は見られません。
ただ蓮池さんは、北朝鮮の金正恩総書記が能登半島地震の見舞いの電報を岸田総理に送ったことや、妹の与正氏が拉致問題は解決済みとした上で「岸田総理が平壌を訪問する日が来るかもしれない」という異例の談話を発表したことに触れ、期待感を口にしました。
「トップとナンバー2が直接日本について言及した。これは今までになかったことです。拉致問題を動かそうという考えがあるのではないかという予感をさせます」

また、蓮池さんは北朝鮮に拉致された可能性を排除できない『特定失踪者』について、日本が拉致被害者と認めていない限り、北朝鮮に対して救出を要求するのは難しいかもしれないとし、「人道的立場として探してもらうように呼び掛け続けなければいけない」と訴えました。
【蓮池薫さん】
「世論は静まっていくのではなくて本当に何十年も続いていきそうだなと、日本国内の雰囲気を北朝鮮に知らしめる必要があると思いますね。多くの人たちと共有するというのは重要なポイントの1つと考えています」

拉致議連では引き続き署名活動をするなどして、拉致問題解決の糸口を見つけたいとしています。