代表落ちを経験したからこそ知った自分の現在地

自分の弱みと向き合うことで競技に取り組む姿勢が変わるきっかけにもなった園田。21年に早稲田大学へ進学。大学1年生の時に出場した世界ユースで女子団体金メダルを獲得、昨年は学生のオリンピックと呼ばれる世界ユニバーシティーゲームズでは混合団体で金メダルに輝くなど、国際大会で結果を残してきた。

園田選手

その活躍の裏には一緒に暮らす姉と、地元・大分県から応援してくれる両親の存在があった。

園田選手:
今一番近くにいるのが姉で一緒に暮らしていて、ご飯作ってくれたりとか洗濯してくれたりとか、結構もう母みたいな感じでいろいろしてくれてるので本当に支えになってます。

Q:離れて暮らすご両親とは
園田選手:
1週間に3、4回(連絡を取っている)。今日あったこととか最近あった出来事とかを話して、実家の状況も聞けるのでリラックスして楽しい時間を過ごせてます。
忙しいときはあまり連絡を取らなくて「最近連絡してくれないね」って言われるんですけど、連絡がない時は頑張ってると両親も思っているので、すごい支えになってます。

支えてくれる家族へ恩返しの舞台はパリ五輪と決めている園田。
そのパリ五輪出場権をかけた世界最終予選の代表選考会が3月9日〜10日に東京夢の島公園アーチェリー場で開催される。すでに男子は個人と団体(斉藤史弥・中西絢哉・古川高晴)、女子は個人(野田紗月)で出場権を獲得している。日本は女子団体の出場権獲得を目指しており、世界最終予選に選考会で選ばれた2名と代表に内定している野田で挑む。

選考会に向け園田は「普段は見に来られると緊張しちゃうので、なんか普段見に来てとか言えないんですけど、オリンピックは見に来てって言えるので大きい舞台に立って、父と母と姉を呼んでオリンピックに出場したいなと思います」と気合が入る。そして「選考会は落ち着いてプレーができる選手になりたいと思っているので、ミスは長い試合になるので、すると思うんですけど、落ち着いてミスの原因を見つけてプレーしていきたいなと思います」と静かに選考会の時を待つ。


■園田稚(そのだ・わか)
2002年4月23日生まれ、大分県別府市出身。早稲田大学在籍。
母のすすめで中学1年生からアーチェリーを始め、中学3年生から上京しJOCエリートアカデミーに入校。16歳の時、史上最年少で日本代表入り。19年世界ユース選手権個人銀・混合銅と国際大会で結果を残すも20年の東京五輪2次選考は6位で敗退。
高校卒業後、21年に早稲田大学へ進学し、その翌年デンソーソリューションとスポンサー契約を締結した。学生のアーチェリー選手がスポンサー契約を結ぶのは初のこと。23年世界ユニバーシティーゲームズの混合団体で金メダルを獲得。