各地でシカの食害が問題になっていますが、対策のために設置したカメラに、このほど、行列を作って移動するシカの姿が捉えられました。
その姿と数に、改めて農家や住民が対策に頭を悩ませています。

急斜面を下るシカ。一頭ずつ、整然と列を作って歩いていきます。

シカが現れたのは千曲市更級(さらしな)地区の里山。

「堂の山(どうのやま)」と呼ばれる一帯で、3年前から地元の有志が、整備に取り組んでいます。

「堂の山」復活プロジェクト 大谷公人(おおたに・きみと)さん:
「あそこがカメラです。まさにここらへんをだだだだ・・・と降りて来た」

大谷さんたちは、里山を地域の憩いの場にしようと、やぶを切り払ったあと、サクラや草花を植えたものの…。

(大谷さん)「植えてはあったんですが、みんな食べられて跡がない感じですかね」

「敵」の正体を知ろうと2年ほど前にカメラを設置。

すると、むしゃむしゃと草を食べるシカの姿が。

時には10頭ほどの群れで現れたり…

カエデの木を大きなツノでつつく様子も。

ほかにも、整備した遊歩道を歩くタヌキや、カメラを威嚇する野鳥など、さまざまな生き物が映っていました。

そして2月21日にカメラが捉えたのが、10頭近いシカの大行列です。

(大谷さん)
「気持ちのいいように列を作って歩いてるもんでびっくりしましたけどね」

このシカたちはどこに向かったのでしょうか。

(大谷さん)
「坂を下ったところのリンゴ畑の皮や芽を、もしかしたら食べているかもしれない」

千曲市更級地区では山ぎわの地域を中心にシカの食害が課題になっています。

このリンゴ畑でも、シカの頭の高さにある枝先の新芽は、すっかり食べられてしまっています。

畑の持ち主が観察したところ、シカはなぜか「秋映」の芽を好むそうです。

また、若いリンゴの木の皮が食害にあうケースも。

(千曲市芝原区 池田精平区長)
「リンゴの芽が食われちゃうとそこから先が成長しない。若芽が成長してリンゴがつくんですけど…。あと皮は食われると木が枯れてしまうという現象があるので、非常に農家の皆さんは困っている」

地区では10年ほど前から山奥にフェンスを設置するなど、シカの食害対策が続けられていますが、被害がなくなることはありません。

(池田区長)
「猟友会にもお願いしてワナをしかけてもらったりしているんですが、決め手が見つからない」

千曲市更級地区の「堂の山」では、新しく植えたサクラの若木は、動物の害を防ぐため竹で囲いをしました。

4年目を迎える里山づくりは、野生動物との共存を図りつつこれからも続きます。