「1回もボールを触らなくて勝たせる選手」
40年以上サッカーとともに歩み、サッカーを信じ続けてきた野々村チェアマン。存続の危機にあったクラブを変え、日本のサッカー界を変えようとしている男の流儀とは。野々村
僕は自分に何ができるかというと、別に大したことはできないと思っているんです。でも、ここまで行きたいなという目標に対して、いろんな人の力を借りていけば、到達するだろうと想像できる。いかに仲間をつくっていくかがすごく大事です。選手時代のインタビューで「どんな選手になりたいか」っていう質問に対し、28歳の自分がサッカー選手でありながら「1回もボールに触らなくても試合に勝たせることのできる選手になりたい」っていうふうに言っていたんですね。

チームが勝つためには、ピッチ上にいろんなことが得意な人が集まって、その得意なものを出せるような仕組みさえできれば、勝てる確率が高い。今いるビジネスの世界でも考え方は同じです。いろんなことが得意な人たちに気持ちよく活躍してもらえるような体制をどうつくるかが一番重要で、かつ、1人ではできない大きな事を成し遂げることができる方法なのかなと思っています。