別の書類も「結論」はあるものの…「経緯」は黒塗り

別の書類も見てみました。

「立会い医師等の意見等」と書いてあります。「死因は、急性循環器系疾患(推定)」と。「意見」の部分はほとんど黒塗りにされていて、一番最後の結びは、「急性循環器系疾患と推定される」と書いています。結論はありますが、それに至る経緯はやはり黒塗り。

「これではわからない」と妻は嘆いています。

取材した時に、妻は「解剖しなかったことを後悔している」と言っていました。これは「解剖しますか?」と確認されたんですが、先方から「家に帰るのが遅くなりますよ」というようなことを言われたそうです。

妻は「家に帰ってくるのが遅くなるとなると、夫がかわいそうだな」と思ったそうです。そして、「亡くなった体を切り刻むようなことをしてしまうのは申し訳ない」と思って解剖はしなかったんですが、それを後悔しているということです。

なぜならば、亡くなった詳しい理由すらわからないから。

ワクチン接種後の死亡事例について、解剖の必要性を説いている団体があります。
「日本病理学会」「日本法医学会」「日本法医病理学会」の3つの団体です。

この3団体は、厚生労働省にこのようなお願いをしています。

「接種数日後に死亡したケースに関して言えば、医学的情報を提供するため、積極的に解剖を推奨すべきだ」と。この申し入れを受けて、厚労省はどんな対応をしているのか。厚労省に聞いていました。

すると、厚労省はこれを受けて、各都道府県には伝えたそうです。つまりボールは各都道府県に投げられたということにはなります。しかし、いろんな遺族の方を取材しましたが、解剖が積極的に進められているかどうかという確認は、取れていません。積極的に解剖を推奨していれば、今回のような札幌に住むご遺族のようなことは、少しはなくなるのではと思っています。

これまでワクチン接種後に死亡したご遺族の方を取材しました。その中で、何人かのご遺族は「解剖すればよかった」と話していました。なぜならば、解剖しなかったせいで「なぜ亡くなったのか」とずっと思い悩まされると。「モヤモヤした気分がずっと続いてしまう。だから、解剖すればよかった」と言っていました。

積極的に解剖を推奨していれば、今回のこの札幌に住むご遺族のようなことは、少しはなくなるのではないかと思っています。