小学生や中学生など子供の世代で、近視の割合が増えていることが、国の調査でわかりました。原因の一つに、スマホやタブレットなどを見る時間が増えたことがあるとされていて、夏休みで自由時間が増えるこの時期、使いすぎに注意が必要です。

◆「黒板の字が少しぼやけて」


子供の来院者が多い、福岡県粕屋町の眼科です。この日も多くの小学生や中学生が診察を受けていました。

小学4年生「4年生入ったぐらいから、細めないとちょっと見えないときがある」
中学1年生「黒板の字が少しぼやけていたり、タブレットを使って授業するときも、少し小さい字が見づらかったりするので」

◆受診の小中学生 約70%が“近視”


この眼科では、去年1年間に受診した小・中学生の約70%が、「近視」または「近視の疑い」と診断されました。若年層で「近視」が進行する原因には遺伝もありますが、日頃の生活など社会的要因も大きいと医師は話します。

川原眼科 川原周平理事長「近くで見る作業、近見作業が増えているということです。タブレットを見る、本を見る、スマホを見る、そういう時間が増えていくことによって近視が増えていると言われています。家庭で気をつけても、学校でパソコンとかタブレットするので避けられない状況になっている」

◆年々増加する「動画視聴」時間

内閣府の調べによると、小中学生が一日にインターネットを使う時間は年々増えています。小学生で3時間以上、中学生は4時間を超え、利用の目的は動画の視聴やゲーム、勉強が多くなっています。

中学1年生「平日は1、2時間で土日はもう少し多いかな。見る時間は決まっているけど過ぎちゃう」
中学3年生「YouTubeとか、1時間2時間、1時間・・・」

保護者「見る距離は近いし、時間も決めてはいるんですけど、自分の部屋に入ってしまっていると、もうなかなか管理はしづらいです。設定したりとか時間を制限したりしても、今コロナだったりとかで友達と遊ぶ時間が減ったりとかしていると、ついつい少し緩めてしまっているかなというところはある」

◆「屋外での遊び」減少も要因の一つ


また、新型コロナの影響で屋外で遊ぶことが減ったのも、近視が増えた要因の一つだといいます。

川原眼科 川原周平理事長「太陽光にもいろいろ成分が含まれているので、中でもバイオレット光というものが、近視の進行を抑える作用があるというデータが出ています。外で遊んでいるとバイオレット光も自然に浴びるので、近視が進みにくくなります」