兵庫県出身 横田吏功 選手(3年)
「出雲駅伝と全日本大学駅伝に出場するためにこの大学を選びました。

兵庫県出身 福永恭平 選手(4年生)
「走るんだったら強いところがいいかなと思って、広島で強いところで走ろうと思って、広島経済大学にさせてもらいました」

箱根駅伝には、関東の大学20校が出場します。広島経済大学は、全国大会となる出雲駅伝で去年16位、全日本大学駅伝でおととし20位に入っています。ということは、チャンスは十分あるように思えますが…?

兵庫県出身 福永恭平 選手(4年)
「距離が全然違ってきて、短い距離だったらうちも対抗できるかなと思うんですけど」
兵庫県出身 横田吏功 選手(3年)
「ぼくらは全日本大学駅伝や出雲は、10キロ~20キロと比較的短い距離なので、そこは違うところかなと思います」
出雲駅伝や全日本大学駅伝と箱根駅伝とでは、走る距離も人数も大きく違います。
広島経済大学 陸上部を率いる尾方剛 監督。マラソンで北京オリンピック代表、世界陸上 銅メダリスト、まさに長距離界の第一人者ですが…?

広島経済大学 陸上競技部 尾方 剛 監督
「もうちょっと早く、5年くらい前に言ってもらえたらよかったかなと思います。まず、選手ですね。(予選会で)20キロ走れる選手を12人作らないといけないので、時間的にもないですし、合宿とかも行かないといけないですし、コーチだったり、スカウト担当だったり、そういう費用が地方大学だと難しいと思いますね」
尾方監督自身、山梨学院大学在籍中に出場し、優勝に貢献しました。箱根の厳しさを知り尽くしています。
尾方剛 監督
― 学生が箱根駅伝に出たいと言ったら?
「練習は間違いなく、きつくなるよというのは言いますけど」
― どれくらいきつくなる?
「倍にはなるんじゃないですかね。走る距離も増えると思いますし、もちろん質も上げていかなくてはいけないので。でも、練習の質を上げると、たぶんできない選手ばかりなので、かなりしんどいですね」
日程的な厳しさもあります。
箱根駅伝の予選会は、出雲駅伝と全日本大学駅伝の本番にはさまれているのです。
尾方剛 監督
「かなりタイトなスケジュールになっていますから、どこに合わせてやるかといったら、やっぱり全国大会に合わせてやらないといけないと思う。箱根の予選会に合わせるという選択は難しいんじゃないかと思います」
― 3大駅伝の違いをまとめてみました。全国から参加する「出雲駅伝」は、6区間で6区間あって、平均は7.5キロ。同じく「全日本大学駅伝」は、8区間で平均13.4キロ。

これに対し、「箱根駅伝」は、10区間で平均21.7キロと、人の数も距離も倍増するのです。つまり、長い距離を走れる選手を大勢育てなくてはいけない。しかもタイミング的に有望な高校生は、すでに関東の大学に進学している。地方の大学にも参加資格が広がったとはいえ、厳しいのです。
― さらに日程が難しいのです。箱根駅伝予選会は、10月後半に行われるが、出雲駅伝の本番が10月9日、全日本大学駅伝の本番が11月5日。走る距離や選手層・日程と課題は多い。

青山学院大学の原監督は、「だからこそ、記念大会の1回だけで終わらず、継続してほしい」と訴えます。