「政治的な責任・党としての処分」に岸田総理が踏み込む
小川彩佳キャスター:
街の皆さんからも厳しい声が聞かれましたけれども、29日の政倫審をどうご覧になりましたか。
ジャーナリスト 浜田敬子 氏:
午後、仕事の手を止めて見ていたんですけれども、もう本当に中身のない予算委員会の答弁、報告書をそのまま読んでいるような中身にがっかりしたというか。
この内容なら、公開・非公開を揉める必要すらあったのかとも思いました。ちょっと違和感を感じたのが、「派閥政治を解消する」と言っていましたが「派閥って解散したんじゃなかったっけ?」と。まだ派閥が存在しているかのような口調で話していて、岸田総理はやはり遠慮している感じがしましたし、二階派ってまだ残ってるんでしたっけというぐらいで、派閥政治からの解放ってちょっと無理なんじゃないかなっていう印象も持ちました。

23ジャーナリスト 宮本晴代記者:
29日のポイントは、大きく上げるとこの3つがあると思います。
(1)「連座制」の適用に前向き
(2)「政治的責任・党の処分」に言及
(3)総理在任中はパーティーをしない
この中でも個人的には2番目、岸田さんが「政治的な責任・党としての処分」というところに踏み込みました。要は今までずっと秘書がやった、事務方がやったということで、政治家は責任を取らなくてもいいんですかっていうところに国民はみんなモヤモヤしてきたわけですよね。でも、今後の説明次第ではきちんと責任を取らせる、それを検討するということに言及したというのは踏み込んだなと思いました。
もう一つ、29日は岸田さん以外にもう1人、審査会に出た武田良太さんですけれども、武田さんは二階派の事務総長という立場でした。

「なぜトップの二階さんが出席しないんですか?」と聞かれたときに、「二階さんっていうのは、派閥の象徴なんです」。象徴であるからこそ、あるいは象徴だけれども、「事務・経理には一切関わっていないんです」と、このように答えたのが印象的でした。
ただ、その派閥の「お財布事情」について、武田さんあるいは武田さん以外、二階さんや他の幹部は本当に知らなかったのか、という疑問は実は解消されていません。
小川キャスター:
「裏金」が何に使われたのか、様々な疑問がありますけれども、今回新たにわかったことがあったかというと、どうなんでしょうか。

宮本記者:
結局は、先日の自民党が出した報告書にまとめられた内容をなぞる形でした。岸田さんは「政治活動費以外に使ったり、違法な使い道に使った例は把握されていない」という答弁に終始したんですけれども、結局そのお金がどんなところに使われていたのか、という私たちの知りたい具体的なところの新しい事実はなかったですね。

藤森祥平キャスター:
政倫審は3月1日も行われます。1日は安倍派の幹部を務めた西村氏、松野氏、塩谷氏、高木氏の4人です。特に高木氏にいたってはちょっと愕然としましたが、28日、「これまでの会見と同じような話になるだろう」(28日)と、新しいことも言うつもりありませんと言ってるようなもんですよね。

TBSスペシャルコメンテーターの星浩さんはこのように見ています。
4人については、これまでの経緯とお金の使い道などを一番知る立場。だから、▼いつから始まったのか▼キックバックなどのやり取りを一度やめようと思ったのに、なぜ継続となったのか、それから最大の関心事と言ってもいい▼税金を支払う意思があるのかどうかなど、喋らざるを得ないと星さんは見ています。
小川キャスター:
ですから、1日に審査が行われる皆さんは何も知らないでは済まされない方々ということですね。

宮本記者:
今回の裏金事件の発端となったのは、実は安倍派の問題からだったんですよね。ですので、この4人が1日にきちんと説明をするのか。そうでないとすると、野党は参考人招致あるいは証人喚問ということも検討していると思います。
浜田氏:
岸田さんは少なくとも安倍派では10年以上前からっていうことを話していました。そこは少なくともやっぱり誰が、どういう形で進めたのかというのは話していただきたい。
そもそもこの4人でいいのかっていう問題ですよね。自民党内の駆け引きの中で、この出席者って決まっているわけですけれども、事務総長経験者と線引きしていますが、その線引きって、全く国民にとっては意味がない。派閥の幹部も萩生田さんとか、もう少しいらっしゃいますよね。
もっと言えば、50人以上の人がもらっていたわけですけども、この人たちは説明する必要がないんですかということと、安倍派の総会が終わった後に幹部の責任を追及するべきだと言っていた議員の方がいましたよね。皆さんその法的な責任は問われていないけれど、この50人以上の方たちは政治的責任・道義的責任はあるわけなので、個人の意思で出るっておっしゃったので、説明してくださいと言いたいです。