「我々はまだ本気を出していない」プーチン大統領の強気の発言の背景にあるものや、ロシア国内の”みじかい夏”の空気感。イランへの接近や今後の戦況について、元産経新聞モスクワ支局長で大和大学の佐々木正明教授の解説です。
―――ロシアのラブロフ外相が、制圧地域の目標をドネツク州、ルハンシク州だけでなく、ヘルソン州、ザポリージャ州に拡大すると話しました。ついこの間まで「東部2州の解放」が今回の特別軍事作戦の目的と言ってたのにですよ。佐々木先生、ウクライナ全体の制圧をまだ諦めてないということですか?

(佐々木正明教授)
「8年前にクリミア半島とドネツク州、ルハンシク州を一部制圧しましたよね。その8年後にキーウを攻め込もうとした。となりますと、この南部の州もですね、支配を確立しますと、ここを足がかりにして今度は逆にキーウを攻めやすくなるわけです。つまり、プーチン大統領がいる限りですね、ウクライナはロシアの一部であると言っていますので、これは変わらないと思います。そしてヨーロッパの一部はその意図をですね、完全に把握してますんでロシアに対して完全勝利を目指すという国々がありますね。バルト三国だったり、英国だったりポーランドだったり。今頃ヘルソン州ザポリージャ州に拡大するといってもですね、この2州でも多くの方々が亡くなっていますし、ちょっと意図がよくわからないんですね」