日本政府の“巨額支援” 激化する競争の行方は?

南波キャスター:
こうした中、日本政府は台湾の半導体製造大手の「TSMC」(熊本県菊陽町)に総額1.2兆円の巨額支援を発表しました。

さらに次世代半導体と呼ばれる、スマートフォンなどに使われる小さな半導体の国産化を目指している「ラピダス」(北海道千歳市)に対しても、政府は3300億円を支援する方針です。

2021年度からの3年間で日本は、約4兆円の予算を確保しています。

世界と比べると予算の規模はどの程度なのか。

▼アメリカ→5年間で約6.8兆円(年割合で比べるとそれほど日本と変わらない予算)
一方、
▼中国→10兆円を超える規模
▼韓国→35.7兆円以上(2026年までに実施予定)

では、世界と戦いながら日本の復活はありうるのでしょうか。

永濱さんは「復活は十分あり得る。日本は半導体の製造装置や素材の分野では世界的にシェアを持つ。いかに生産拠点を持つ企業を日本に引き込めるかがカギ」と話しています。

ホラン千秋キャスター:
新型コロナウイルスの影響で半導体の製造ラインがストップした数年前には、給湯器が手に入らない、車の生産ラインがストップするというニュースを耳にした人も多いと思います。

とにかく半導体がないと何も作ることができないという状況なわけで、「TSMC」が日本にきました。

東京大学 准教授 斎藤幸平さん:
「三笘の1ミリ」もボールに半導体が入っていたからああいう判定があって日本も勝ったとも言われています。そういうレベルにまで半導体が浸透している中、韓国や台湾は国を挙げてここに注力している。日本が今からここで追いついていくというのは、そう簡単にはできないのではないかと思っています。

ただ、最先端をいく台湾、韓国、アメリカなどは日本と友好的な国なので、逆に日本は半導体の製造装置や半導体素材の分野で、いい相互依存関係を築いていくということが、一つの生存戦略になっていくと思います。