服部は、2月22日にケニアから帰国。国内拠点の愛知県田原市で最終調整している。
トヨタ自動車の佐藤敏信総監督は2月27日、電話取材に答えた。
「ケニアにいる時に何度か連絡を取っていました。今朝の服部のジョグを見る限り順調に来ていると思います。服部が2時間5分50秒を出すのは簡単ではないですが、可能性はあります。気象コンディションが良ければ、服部以外にも2時間5分50秒を2、3人切ると思いますが、服部の能力や今までの苦労を考えれば楽しみです。ワンチャンス取ってほしいと思っています。」
東京マラソンでの服部の快走は、全く保証されているものではない。服部自身も、パリ五輪内定となる走りができる可能性は5%くらいかと語った。ただ、服部が自己ベストの2時間7分27秒を出した福岡国際マラソンは、35キロ過ぎから急激にペースアップをしての優勝だった。一般的にフルマラソンでは、35キロ過ぎから底力が試される。ペースが急激に落ちる選手も数多くいる。服部には記録に表れていない底力がまだあるのではないか。
栄光と挫折を経験した30歳の服部のピークはまだ先と見る。ケニアでの練習の充実ぶりを話しながら、『2時間4分、5分を目指す』という言葉はごく自然に出てきた。見据える目標には強い意志が宿る。高めてきた自力と、2019年MGCでも見せた勝負強さがかみ合えば-。
服部の完全燃焼のマラソンと達成感あふれる笑顔をまた見てみたい。それがパリ五輪につながる可能性がある舞台でならなおさらだ。3月3日、午前9時10分号砲の東京マラソンが待ち遠しい。
【服部勇馬 マラソン全成績】
2016.2.28 東京マラソン 12位 2時間11分46秒
2017.2.26 東京マラソン 13位 2時間9分46秒
2018.5.6 プラハマラソン 5位 2時間10分26秒
2018.12.2 福岡国際マラソン 1位 2時間7分27秒(自己ベスト.当時日本歴代8位)
2019.9.15 MGC 2位 2時間11分36秒
2021.8.8 東京五輪 73位 2時間30分8秒
2022.5.8 プラハマラソン 9位 2時間18分06秒
2023.2.26 大阪マラソン 34位 2時間9分46秒
2023.5.7 プラハマラソン 8位 2時間10分34秒
(文筆・聞き手 BSN新潟放送 坂部友宏アナウンサー)














