「彼の指輪にキスする必要はない」 対トランプ姿勢を鮮明に
トランプ氏への批判も、トーンが一段上がった。
ヘイリー氏は「選挙献金を5千万ドル(約75億円)も自分の裁判費用に充てるのはおかしい」「ロシアにNATOの国を攻撃するようけしかけるのはおかしい」と畳みかけた。そして「トランプ氏は自分のことばかり。過去の自身の亡霊にとらわれている」と批判を展開した。
そして批判の矛先は、共和党にも向けられた。ヘイリー氏は、共和党がかつての「アメリカの保守」から変わって「トランプ党」になっている状況について、「多くの共和党員が表ではトランプ氏のことをほめたたえているが、陰では嫌っている」「共和党の政治家たちはつまはじきにされるのを恐れて圧力に屈している」などと批判。
さらに「私はトランプの復讐を恐れていない」「彼の指輪にキスする必要はない=トランプに服従する必要はない」と強調した。つまり、トランプ氏との対決姿勢を鮮明にした形だ。
トランプ氏がここまで強いと「ヘイリー撤退」はいずれは現実的だと思うが、なぜ戦いを続けるのか。
会見の中に、1つヒントがあった。

ヘイリー氏は「トランプはアイオワ州では49%の票を取れなかった」「ニューハンプシャー州でも46%の票を取れなかった」と会見で指摘した。つまり、「トランプ氏が圧勝した」反面、「トランプ氏を支持しない人は半分くらいいるのだ」という捉え方だ。
この「共和党員の半分の人たち」にしっかりアピールできれば、まだ支持が伸びるのではないかという期待と、そしてそのためには「自分が最後までトランプの対抗軸となる候補なのだ」と宣言する必要があった。