「弟は拉致された」と認めてもらいたい―。

佐渡に赴任中に突然行方不明になった大澤孝司さんは、北朝鮮に拉致された可能性を排除できない『特定失踪者』です。
警察庁のまとめによりますと、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない行方不明者は、全国で871人にも上っています。2002年に帰国を果たした蓮池薫さんや、いまだ行方の分からない横田めぐみさんらのように、政府の認定した『拉致被害者』の中には大澤孝司さんは含まれてはいません。

兄・昭一さんは、弟の『拉致被害者』認定と再会を懸命に求め続けていますが、いまだにどちらも叶わずに時間だけが過ぎています。

「これまでにない形の内容のお願いもしました。それもこれも…とにかく『もうここしか孝司のことをお願いする場所はないな』という気持ちで…」と
昭一さんは、2023年6月には新潟県警にも初めて要望書を提出。県警は1カ月後に「拉致だと認定するには至っていない」としています。

このことについて昭一さんは、「証拠なんて…。絶対もう、あるもんじゃないんですよ。状況証拠というものを勘案して、政府で、政治判断で、拉致認定してもいい段階だ」と、苦しい胸の内を吐露しています。