■世界陸上オレゴン・6日目(日本時間21日・米オレゴン州ユージーン)

無酸素運動の限界を越え“陸上競技で最もきつい”と言われる男子400mの準決勝にウォルシュ・ジュリアン(25)、佐藤風雅(26)の2人が出場。各組上位2人と3位以下のタイム上位2人が決勝への条件だったが、ウォルシュが45秒75の1組6位、佐藤が45秒71の2組5位で1991年高野進以来2人目の決勝進出はならなかった。

1組に登場したウォルシュは好スタートを切った。「前半から、積極的に、自己ベストを更新したい」との宣言通り、最初のコーナーもスピードに乗って加速した。3位を争い最終コーナーを出たが、残り100m付近で足が止まり失速。45秒75の6位で準決勝敗退となった。

2組には「タイムを狙っていきたい」と話していた佐藤が登場。予選に続き東京五輪銅メダリストのK.ジェームス(29・グレナダ)と同組となった。予選では200m付近までジェームスより前でレースを展開した佐藤だが、この準決勝はスタートから追いかける展開に。中盤まで世界のスピードについていくことができなかったが、最後のコーナーを抜けると粘りを見せ前を追い、順位をあげた。初めての世界陸上は45秒71の5位で準決勝敗退に終わった。

レース後「300mくらいまでは調子良くいけたんですが、最後はうまくいかなかった。(2回目の世界陸上で)緊張せずに行けたと思うんですけどまだまだ甘いですね。(今後は)調子の上げ方とかはわかってきた。これからも日本記録を目指してがんばりたいです」と前を向いたウォルシュ。

佐藤は「やはり世界とは力のレベルの差を感じました。(地元)アメリカの選手が紹介されるときに歓声があって、自分に向けた歓声じゃなくてもテンションが高まるような素晴らしい大会でした。今回は何もできずに終わってしまいましたけど世界陸上がまたすぐ来年行われるので、そこでしっかり今回の屈辱を、悔しさを晴らしたいと思います」と振り返った。

世界ランキング1位で日本人の母とアメリカ人の父を持つM.ノーマン(24・アメリカ)はスタートで出遅れたが、中盤は慌てず残り40m付近で逆転、44秒30の全体1位で決勝進出を決めた。