千葉県浦安市が、市内に宿泊した人への「宿泊税」を検討しています。その背景や今後について、前大津市長の越直美氏を交えてお伝えします。
「観光客が多い」浦安市で宿泊税検討へ

東京ディズニーリゾートを抱える千葉県浦安市。2025年度以降で「宿泊税」の導入を目指しています。
導入には以下の理由があります。
▼インフラの整備
▼市外の来訪者による救急出動の負担
2023年の救急出動件数を見ると、浦安市内の約1万1000件のうち、舞浜地区だけで約2000件と、浦安市内で最多となっています。
浦安市担当者は、
「人口の少ない舞浜地区の割合に合わない出動件数だと思う。観光客が多いのが要因の一つ」と話します。
宿泊税の具体的な時期や金額は決まっていませんが、東京ディズニーリゾートに訪れた観光客からはー
20代女性(岡山から)
「年に何回も来てるので、積み重ねで負担になってくると思う」
20代女性(兵庫から)
「日帰りにしたりとかもちょっと考えたりするかもしれない」
一方、浦安市民からはこんな声も。
「ディズニー渋滞も、朝結構並んだりするので、迷惑料なのかな」
「工事がはかどらないところがあるので、後回し後回しになるみたいで、そういうの(宿泊税)が多少あってもいいのかなと思います」

導入した場合、税収はどのくらい見込めるのでしょうか。
千葉県観光入込調査報告書によると、宿泊客の総数は約800万人。
1泊あたり100円と仮定すると、税収は年間で約8億円となります。
浦安市担当者は、「浦安市にあるホテルのグレードなどを調査して、適正な価格を決めていきたい」としています。
熱海でも「宿泊税」検討

もう一つ、検討している自治体が、静岡県熱海市です。
市内の宿泊施設を利用した12歳以上の観光客を対象に、1人あたり200円の宿泊税の導入を検討しています。
背景にあるのは、人口の減少と高齢化です。
1996年には139億円あった税収が、2020年は93億円と30%ほど減ってしまっています。
観光政策の経費として集客のためのPRや環境整備などで年間10億円が必要となっており、宿泊税で担う狙いです。
税収の見込みは、200円×年間350万人として、7億円ほどが見込まれています。
使い道として、熱海観光の目玉となっている花火大会のグレードアップなども計画しているということです。宿泊税は2025年4月から導入予定です。