■第107回日本陸上競技選手権大会・20km競歩(18日、兵庫・神戸)

パリ五輪代表選考を兼ねた日本選手権20km競歩が行われ、東京五輪銀メダリストの池田向希(25・旭化成)が大会連覇を達成し、パリ五輪代表内定を決めた。タイムは1時間16分51秒(速報値)で大会記録をマーク。鈴木雄介が持つ世界記録(1時間16分36秒、2015年3月/能美)には届かなかったが、終盤まで記録更新が期待されたレースとなった。

すでに派遣設定記録(1時間19分30秒)を突破していた池田は、文句なしの優勝で2大会連続となる五輪切符を手にした。

世界陸上連覇の山西利和(28・愛知製鋼)らメダリストが集結し、熾烈な優勝争いが予想された中、池田は序盤からレースを引っ張った。前半はハイペースで進み、中間地点の10kmでは38分16秒、15kmを57分23秒で通過し、世界記録更新も視野に入る中でレースが展開した。

勝負ポイントとなるラスト3kmに突入すると、1kmのラップは3分52秒と少しずつペースが落ち、世界記録からは遅れていく。それでも徐々にきつそうな表情になる中、最後の力を振り絞り、山西の大会記録(1時間17分20秒)を上回る好タイムでフィニッシュテープを切った。

レース後、優勝インタビューで池田は「出来すぎたくらい思い通りのレースとなり、満足のいくレースとなりました」と喜びをかみしめた。今後に向けて「東京五輪に続き2大会連続のメダル、金メダルというところを目標にしているので、ここはあくまで通過点です」と力強く意気込みを語った。