アフリカのスーダンで軍と準軍事組織の衝突が続く中、WHOは、国内の研究施設が占拠され、コレラなどの病原体が流出する「バイオ・ハザード」のリスクが高まっていると発表しました。

スーダン軍と準軍事組織「RSF」の衝突では、これまでに459人が死亡しています。

WHO=世界保健機関は25日、首都ハルツームにある「コレラ菌」や「はしか」などの病原体を保管している国立の研究施設が占拠されたと発表しました。

安全に管理できなくなったことから、「バイオ・ハザード=生物災害のリスクが高まっている」としていますが、どの組織が占拠しているかは明らかにしていません。

現地では、25日から72時間の停戦が始まったものの、ハルツーム近郊では医療施設が砲撃されました。

こうした中、国連の安全保障理事会はスーダン情勢をめぐり、緊急の公開会合を初めて開きました。

国連 グテーレス事務総長
「スーダンでの権力闘争は、スーダンの将来を危険にさらすだけではありません。国境を越え、長きにわたるはかりしれない苦しみや何十年にもわたる開発の後退を引き起こす可能性があるのです」

国連のグテーレス事務総長は衝突を非難し、スーダン軍と「RSF」双方に恒久的な停戦を求めました。また、人道支援活動や平和構築に取り組む拠点を北東部ポートスーダンに設置する計画を明らかにしました。

会合には、現地から国連のペルテス事務総長特別代表もオンラインで出席。「軍もRSFも真剣に交渉に応じる兆候はない」とし、25日からの停戦についても、「銃撃の報告が依然として寄せられ、双方とも停戦を破ったと相手を非難している」と指摘しました。