大手電力会社が競合する新電力の顧客情報を不正に閲覧していた問題で、経産省は業務改善命令を出す方針です。電力会社は電気料金の値上げ申請を行っている中、不祥事が相次いでいます。

この問題は、関西電力など7社の社員らが、子会社の送配電会社などが持つ競合する新電力の顧客情報を不正に閲覧していたことが相次いで明らかになったものです。

西村経済産業大臣
「中立性、信頼性に疑念を抱かせるものであり、極めて遺憾である」

経産省は、関西電力など大手電力5社に対して弁明の機会を与えた上で、業務改善命令を出す方針です。

また、関西電力など4社は自由競争を阻害するカルテルを結んでいたと、公正取引委員会に指摘されています。

【不祥事のオンパレード?】

「不正閲覧」に「カルテル」と不祥事のオンパレードが続く電力会社。2つの共通点は、電気料金を安くする電力自由化を「骨抜き」にする「反則技」だという点です。

電力自由化により地域独占は崩れ、競争が起き、電気料金が下がることが期待されていました。

しかし、▼大手電力がライバルの新電力の顧客情報をカンニングし、一部で営業活動もしていました。また、▼関西電力など4社は「お互いのエリアの客には手を出さない」とカルテルを結んでいたとされています。

これでは競争が起きず、電気代の値下がりにはつながりません。しかも、問題はいま、まさに大手7社が規制料金の値上げを申請中だということです。

電力会社の信頼が大きく揺らぐ中、国民から値上げに納得してもらうためには、抜本的な改革姿勢を示すことが求められています。