ロシア軍によるウクライナの鉄道施設への攻撃は、アメリカの高官がキーウを訪問した数時間後だったことがわかりました。ロシアは鉄道が武器などを運んでいたと主張し、「正当な標的」だとしています。

現地25日、ウクライナのリビウなど西部や中部の駅5か所がミサイルなどにより相次いで攻撃され、少なくとも5人が死亡しました。

ニューヨーク・タイムズなどによりますと、前日から鉄道でキーウを訪れていたアメリカのブリンケン国務長官らは夜遅くにゼレンスキー大統領と会談。攻撃が報じられた25日のほぼ同じ時間帯にポーランドで記者会見を開いていました。

ロシア国防省は鉄道用の変電施設を破壊したとしていて、鉄道について、東部ドンバス地方のウクライナ軍に外国製の武器や軍用品を輸送していたと主張。ラブロフ外相は「ロシア軍にとってこれらの武器は正当な標的だ」と話し、攻撃を正当化しています。

また、停戦交渉に関しては「我々の多くはウクライナの立場はアメリカやイギリスなどにより決定されていると思っている」と話し、アメリカと交渉をする必要があるとする意見が出ていることを明らかにしました。

ロシア プーチン大統領
「ロシア社会を分裂させ、ロシアを内部から破壊するという新たな目的がある」

一方、プーチン大統領はウクライナでの軍事作戦について、「外国メディアやSNSを使ったロシア軍に対する挑発行為に対し、徹底的な調査が必要だ」と発言。そのうえで、欧米が情報戦によって「ロシアを内部から破壊しようとしている」などと一方的に主張しました。

イギリス ウォレス国防相
「我々は、約1万5000人のロシア兵が死亡していると見積もっている」

一方、イギリスのウォレス国防相は、ウクライナへの侵攻以降、ロシア軍の戦死者がおよそ1万5000人にのぼるとの見方を示しました。また、「今後3週間が鍵となる」としたうえで、ウクライナへのさらなる武器の供与が必要だと指摘しました。